SMS複合不織布

メルトブローン不織布（Meltblown Nonwovens）は均一性が良く、フィルター効率或いはバリア性が高いという利点がありますが、メルトブローン繊維の強度が低く、繊維同士の接着強度が不十分であるため、機械的な特性が悪く、伸びが低く、耐摩耗性が劣ってます。 一般的に処理なしでの単独使用は難しいです。

スパンボンド不織布（S）は強度が高く耐摩耗性に優れているが、メルトブローン不織布に比べると均一性や濾過精度は劣ります。両者の長所を組み合わせて相補的な長所を発揮させれば、より優れた濾過・バリア効果と良好な通気性を両立させることができます。

一般的なPPスパンボンド不織布のPP繊維モノフィラメント強度は2.9~4.9cN/dtexです。メルトブローンPP繊維のモノフィラメント強度は1.5~2.0cN/dtexしかありません。PPスパンボンド不織布の引張強度は坪量の約1.5~2.0倍であり、メルトブローン不織布の引張強度はスパンボンド不織布の1/5~1/4の程度あるいはさらにそれ以下です。

SMS複合不織布というのはメルトブローン不織布を二層のスパンボンドに積層し、形成された「サンドイッチ」構造の新しいタイプの不織布です。SMSは「3層」構造で構成された2種類の繊維メッシュの総称です。  実際の層数は、4層SMMS構造、5層SMMMS構造、6層SSMMMS構造などがあります。

SMS複合製品はスパンボンド不織布とメルトブローン不織布の長所を兼ね備えており、高強度、優れた耐摩耗性、高い濾過効率、または強いバリア能力を備えているため、医療、衛生、ヘルスケア、保護製品の分野で広く使用されています。 帯電防止、撥水、撥アルコール、撥血液などの機能を持つ製品はハイエンドの医療用保護製品の第一選択肢となっている素材です。

SMS複合不織布も溶融紡糸法で製造され、異なる特性を持つ多層の繊維メッシュから構成されます。 上層と下層はスパンボンド繊維メッシュ（S）、中間層はメルトブローン繊維メッシュ（M）で、これらは「サンドイッチ」方式で積層されます。

図の示すように：（a）スパンボンド繊維ウェブの表面は、繊維の太さは均一で、繊維同士の隙間は非常に大きいです。（b）スパンボンド繊維ウェブの断面で繊維の太さが均一で繊維同士の隙間が大きいです。（c）メルトブローン繊維ウェブの表面はスパンボンド繊維より細くて小さいですが、繊維の太さが不均一で、繊維同士の隙間は非常に小さい（d）SMS繊維ウェブの表面にはメルトブローン層の繊維はがスパンボンド繊維同士の隙間を充填してます。(e)SMMS繊維ウェブの断面に多数のメルトブローン繊維が良好なバリア能力を有する構造を形成して右側がフラットボンドされた繊維ウェブはエンボス機によって形成されたエンボス柄です。

SMS複合不織布生産ラインにおけるスパンボンド生産システムとメルトブローン生産システムは一定の組み合わせに従って配列して順次通りに共有しているウェブベルトに繊維ウェブをブローします。上流に形成されている繊維に覆って熱エンボス機で"サンドイッチ "タイプの構造を固結して複合SMS不織布になります。

様々な製品の構造と断面から見たら、スパンボンド不織布の繊維が太くて繊維同士の隙間が大きいのでより優れた機械的特性を持ち、メルトブローン不織布の繊維が非常に細くて繊維同士の隙間が非常に小さいので優れたフィルター特性とバリア特性を持ちます。